どうもすずめです。
今回はリオナとピートルについて掘り下げていこうと思います。
なぜこの2つの薬剤かと言うとどちらも鉄含有のリン吸着剤だからです。どちらも鉄を含有しているということで似ているのです。しかし細かく見ると違っているところもたくさんあります。そこを詳しくやっていこうかと思います。
- リオナとピートルの比較表
- リオナの特徴
- ピートルの特徴
- リオナとピートルの違いや特徴のまとめや主観
上記の流れで記事にしました。
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リオナとピートルの比較表
まず簡単にリオナとピートルの違いや特徴がわかる表を下記に貼ります。
リオナ | ピートル | |
発売日 | 2014年5月 | チュアブル2015年11月、顆粒2018年11月 |
剤形 | 錠 | チュアブル、顆粒 |
規格 | 250mg | チュアブル、顆粒ともに250mg、500mgがある |
有効成分 | クエン酸第二鉄 | スクロオキシ水酸化鉄 |
適応 | 慢性腎臓病患者における高リン血症の改善 | 透析中の慢性腎臓病患者における高リン血症の改善 |
用法 | 1日3回食直後 | 1日3回食直前 |
開始用量 | 1回500mg | 1回250mg |
最高用量 | 1日6000mg | 1日3000mg |
副作用 | 副作用は25.5%に認められた。主なものは下痢10.1%、便秘3.2%、腹部不快感2.5%、血清フェリチン増加2.7% | 副作用は32.2%に認められた。主なものは下痢22.7%、便秘2%以上 |
一包化可否 | できる | できない |
リン吸着能 | ピートル250mgとリオナ500mgがほぼ同等 | |
指導の注意点 | 黒色便について心配ないと指導する | 黒色便について心配ないと指導。チュアブルは歯の着色もあるが歯磨きで取れる。チュアブルは噛み砕きが必要 |
こんな感じです。ざっと特徴は掴むことができたのではないでしょうか?
次は各薬剤についてです。
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リオナの特徴
開発の経緯
- 昔からクエン酸第二鉄水和物はリン酸と結合することが知られていたという所に着目
- 第二鉄は消化管から吸収されにくいというよい特性
- 食品添加物に使用されるクエン酸第二鉄と異なる製造法を用いることによって、比表面積を大きくして溶解速度を速めたといった工夫
名称の由来
リンを(お)治す(なおす)→リオナ
一包化
メーカーは推奨していないが1ヶ月程度なら安定性や硬度ともに問題ないと思われる。湿気に注意。
用法の解説
食事由来のリン酸と消化管内で結合して難溶性の沈殿を形成することでリンの吸収を抑制する。その結果血清リン濃度低下を示す。そのため毎食直後が最大薬効が発揮されるとのことで食直後投与となる。
実薬対照比較試験
ざっくりと
リオナ平均処方量2691mg/日とセベラマー(フォスブロック、レナジェル)の平均処方量4595mg/日でリオナ投与群のセベラマー投与群に対する非劣勢が検証された。
ピートルの特徴
チュアブル
顆粒
開発の経緯
- 既存の鉄化合物はリン吸着能が低かったり、消化管吸収されてしまったり、吸着能が低下していくなど問題があったため開発
- スクロオキシ水酸化鉄は多核性の酸化水酸化鉄(Ⅲ)と炭水化物(スクロース及びデンプン)からなる構造にすることで安定性や高いリン吸着能の維持が可能となった。
製剤学特性
水なしでも服用できるドーナツ型のチュアブル錠とかまずに服用できるマイクロタブレット型の顆粒剤がある。
チュアブル錠は歯が着色することがあるが歯磨きで落ちます。
名称の由来
P(リン)を「とる」でピートル
比較試験
ざっくりと
ピートル最終評価時投与量1403mg/日、セベラマー(フォスブロック、レナジェル)4671mg/日でピートルの非劣勢が検証された。
リオナとピートルの違いや特徴のまとめや主観
- リオナは食直後。鉄がピートルより遊離しやすいので血清フェリチンがピートルより増加しやすい。
- ピートルは食直前。鉄がリオナより遊離しにくいので血清フェリチン濃度には影響を与えにくい。下痢がリオナより起こりやすいので注意。
- ピートルチュアブルは噛み砕いてから服用。歯の着色に対しては歯を磨く。
- ピートル顆粒は先に口に水を含んでから薬を口に入れて流し込むほうが飲みやすい。
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