先日こんな処方がありました。
ん?ジェネリックってメーカー指定で変更不可チェックあったら備考欄に理由が必要じゃなかったっけ?でもこの処方箋は理由が書いていない。なんだこれ?
こんな疑問を解決します。
結論から言いますとインスリングラルギン「リリー」はジェネリック医薬品ではなくてバイオシミラーに該当します。
インスリンのジェネリックはだたのジェネリックではない?【バイオシミラーとは】
簡単に言えばバイオ医薬品のジェネリックになります。
しかし、バイオ医薬品は高分子のために普通のジェネリックと違う特徴があります。
分子量が大きすぎてまったく同じジェネリックが作れないということです。
そのため品質、安全性、有効性において先発バイオ医薬品との同等性、同質性を検証することが求められています。その分薬価も普通のジェネリックの割合よりも高めに設定されています。
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バイオシミラーとジェネリック医薬品の違い
簡単にまとめます。
ジェネリック医薬品
- 低分子化合物
- 同一性を示すことが容易
- 化学合成により製造
- 生物学的同等性試験が必要
- 薬価は先発品の50%(ジェネリック初収載の場合)
バイオシミラー
- 高分子化合物
- 分子構造が複雑であり同一性を示すことが困難ため同等性、同質性を示すことが必須
- 細胞培養による製造
- 臨床試験で同等性、同質性の比較をしたりなど開発要件が多岐に渡る
- 薬価は先行バイオ医薬品の70%。臨床試験をやるため10%の上乗せが可能な場合がある
バイオシミラーの注意点
まず最初に大切なことを。
バイオシミラーとジェネリック医薬品は異なります。混合しがちですが調剤する上では別物と考えたほうがやりやすいかと思います。
ですので、ジェネリック医薬品とは異なり、薬局での代替(変更)調剤は避ける。(副作用等のトレーサビリティー(追跡管理)確保のため)
あとはインスリングラルギンでしたら
「リリー」で処方があったら
「FFP」で調剤は不可ということになります。
(ジェネリックならメーカー変更はOKだがこれはバイオシミラーでジェネリックとは異なるためNG)
となります。
ですので冒頭の「メーカー変更不可チェックはジェネリック医薬品のメーカー指定に該当しない」ので備考欄への理由記載は不要かと思います。
【バイオシミラー】インスリンのジェネリックってなに?【変更は可能?】のまとめ
- ジェネリック医薬品とバイオシミラーは規制の部分でいろいろ違うので別物として考える。
- バイオシミラーは変更はしないで処方箋通り調剤する
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