どうもすずめです!
今回はクラビットとビオフェルミンRの併用の記事です。
薬剤師なら一度はかけたことのある疑義かと思います。私も何度もかけたことがあります。しかし今回記事を書こうと思ったのには理由が。
つい最近以下のような出来事がありました。
クラビット(ニューキノロン系)とビオフェルミンRの処方が来ました。そこでいつものように疑義照会しました。
すると、医師から「ビオフェルミンRの適応にあるナリジクス酸ってキノロン系だよね。だからいいんじゃないの?」と返答が・・・
私はパニクってしっかり答えることができませんでした\(^o^)/そこで調べてみました。
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キノロン系とニューキノロン系
キノロン系
オールドキノロンとも言われる古い抗菌薬。DNAジャイレースを阻害して抗菌作用を発揮する。
ニューキノロン系
構造的にフルオロキノロンとも呼ばれる。キノロン系を元に人工的に合成、発展させたもの。
キノロン系と異なり現在使われているニューキノロン系は多いです。
クラビット、オゼックス、アベロックス、ジェニナックなどたくさんあります。
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ビオフェルミンRの適応
下記抗生物質、化学療法剤投与時の腸内菌叢の異常による諸症状の改善
ペニシリン系、セファロスポリン系、
アミノグリコシド系、マクロライド系、
テトラサイクリン系、ナリジクス酸ビオフェルミンRの添付文書より引用
ナリジクス酸と記載がありますね。しかしニューキノロン系とは記載がない。
キノロン系とニューキノロン系は違うものと認識していましたが、「クラビットは結局は大きく言うとキノロン系だよね?じゃあいいんじゃないの?」
と言われてしまうとうまく返答がやっぱりできない。
ビオフェルミンRの製薬会社に電話してみた
これが一番手っ取り早いです。
下記返答
- 適応外なので査定を受ける可能性がある
- ビオフェルミンRが発売された当時はニューキノロン系は発売されていなかった
- クラビット発売後にビオフェルミンRと併用試験を実施。結果はビオフェルミンRの菌は死んでしまった
以上のことからビオフェルミンの普通錠をすすめるとのこと。
ついでに色々各種抗菌薬との併用のデータを教えてもらいました。
MIC(μg/mL)についてのデータです。
クラビットに対してはビオフェルミンR(0.78)よりはビオフェルミン普通錠(6.25)のほうが耐性があるのですね。しかしどちらの数字も小さいので意味がないのかもしれませんね。
MIC値は1桁(8μg/mL)以下が有効とされている(グラム陰性桿菌のとき)らしいのでね。
わからないことは製薬会社に聞くのが一番ですね。他にも下剤の併用についても電話で聞いたことがあります。
MICとは
ここでMICの説明を簡単に。
MICとは最小発育阻止濃度のことです。要するに数字が少なければ少ないほど低濃度で微生物の発育を阻止できるということです。
ブレイクポイントについての説明は省いています。
私の考えたこと
そういえば整腸剤って菌が生きていても死んでいても効果って同じじゃなかったっけ?
どちらも結局腸内のビフィズス菌を増やしてくれる。じゃあ生きていようが死んでいようがいいじゃないか。
よし聞いてみよう!
ビオフェルミンの会社に再度電話
製薬会社としては生菌が腸内に生息するビフィズス菌を増やすと考えているとのこと。だから死菌のデータはないし、わからないとのこと。
また、適応外であるクラビットとビオフェルミンRの併用は菌が死んでしまうから意味がない。という解釈ではなくて、少ないが一定数の菌は生きるからそれで多少の効果は期待できると認識しているのと事。
ミヤBMの会社に電話
抗菌薬に強い整腸剤といえばミヤBM。色々データが有るだろうとのことで電話。
以下回答
ミヤBM単剤群、ミヤBMとクラビット併用群、どちらの群も便に生菌が同程度検出されたとのこと。
なるほど。生菌が同程度検出ということはクラビットでミヤBMの菌は死なないとのことだな。
しかし便に生菌が検出。そして添付文書には服用をやめると数日後に便に生菌が検出されないような旨の記載が。
ってことはミヤBMの菌は腸内に定着せずに通過しているってことだよな?
うーん、生きていても死んでいても腸内のビフィズス菌は増える。だからやっぱり生菌も死菌も関係ないんじゃないかなー?
死菌を使っての検証はしていないので答えられないです。
とのこと。まぁデータがないならしょうがないよね。
生菌と死菌、腸内環境について
調べても詳しいことまではわかりませんでした。
しかし私の認識だと生菌でも死菌でもどちらも腸内のビフィズス菌を増やす作用があるということです。
死菌でもビフィズス菌のエサになりビフィズス菌が増殖する。
生菌でもビフィズス菌が増殖する。しかし生菌自体が腸に棲み着き増殖するというわけではないみたいです。
要するに生きようが死のうがしっかりと善玉菌を摂取するという行為自体が大切に思います。
下記のリンクにはもっと詳しく書いてあります。興味がある方はどうぞ。
[blogcard url=”https://www.bio-anthropos.com/2015/12/08/%E7%94%9F%E3%81%8D%E3%81%9F%E8%8F%8C%E3%81%8C%E8%85%B8%E3%81%BE%E3%81%A7%E5%B1%8A%E3%81%8F%E3%81%8B%E3%82%89%E5%81%A5%E5%BA%B7%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%82%8C%E3%82%8B%E3%82%8F%E3%81%91%E3%81%A7%E3%81%AF%E3%81%AA%E3%81%84%E3%82%93%E3%81%A7%E3%81%99%E3%82%88-%E5%85%89%E5%B2%A1%E7%9F%A5%E8%B6%B3%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%93%E3%83%A5%E3%83%BC%E2%91%A1/”]
クラビットとビオフェルミンRの併用っていいの?【適応や効果など】のまとめ
- クラビットとビオフェルミンRは適応がないので併用はおすすめできない。査定される恐れあり。またMICでもビオフェルミンRのほうが低いというデータが有る。
- 生きて善玉菌を腸に届けたいのであれば芽胞菌であるミヤBMがおすすめ。クラビットで死なないとのこと。
- そもそも生きていようが死んでいようが腸内のビフィズス菌は増殖する。だったら適応通り処方したほうが査定を受けずに無難
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